2008年01月29日

大忠堂 大黒屋忠兵衛

寒い日が続きますが、暦のうえではまもなく春。
2月4日には立春を迎え、まちではその前日の「節分」に向けて
豆や鬼の面、丸かぶり寿司の売り出しがにぎやかです。

そこで今週のウマしが日記では
「鬼」にちなんだ滋賀の銘菓を取材してみました。



ご紹介するのは大津・三井寺そばにある大忠堂 大黒屋忠兵衛「大津絵煎餅」。

京阪三井寺駅を降りて、すぐ目の前に見えるのは琵琶湖疎水。
春には三井寺の境内とともに桜の名所として知られています。



ここに架かる橋のひとつが「おおつえばし」。
よく見ると欄干は、近江を代表する民画「大津絵」でおなじみの
「鬼」と「藤娘」の模様になっています。
このおおつえばしを渡って2~3分ほどのところにあるのが大忠堂です。



現在のご主人は三代目で、大津絵煎餅を考案したのは先々代。
「大津ならではのお土産ものを」と作り始められたのは戦前のことだそうです。



そもそも「大津絵」も、始まりは旅人に描き売りされていた仏画。
発祥は江戸初期といわれ、東海道・大津宿から京へ向かう道中、
大谷・追分あたりで売られたことから大谷絵、追分絵とも呼ばれたそうです。

多いころでは数百もの図案があったと言われていますが
現在伝わるなかでとくに有名なのは、やはり「鬼の寒念仏」と「藤娘」でしょうか。



大忠堂でもパッケージの表裏にこの2つが描かれています。
左の箱のパッケージも、右の藤娘を描いた袋入りも、2枚入り6袋入って525円。


大津絵では当初、鬼の絵はなかったそうなのですが、
のちに、人のおろかさや滑稽さを風刺するモチーフとして鬼が用いられるようになり、
元禄のころには

「いらふ程 鬼の和らぐ追分絵」

と詠まれたほど、大津絵の鬼はおなじみになっていたよう。 

とくに写真左に描かれている
「鬼の寒念仏」
僧衣をまとった鬼が
布施を乞うてまわる様子を
描いたもので
衣装をまねても
顔かたちは鬼のまま、
知らぬは本人ばかり・・・という
滑稽さのなかに、
偽善者のおろかさを
手厳しく風刺しています。









煎餅にはほかにもさまざまな図案が焼き印されていて
左は三井寺の鐘を弁慶が引きずりあげたという伝承にちなんだ「釣鐘弁慶」。
右は七福神の一人、寿老人。その長い頭を梯子に登った大黒さんが剃っているという
なんとも滑稽な「外法の梯子剃り」。


大津絵は古くから「護符」として伝えられてきたものでもあり、
「鬼の寒念仏」なら子どもの夜泣きをとめ、悪魔を払うといわれ、
「藤娘」は愛嬌が加わり良縁を得、「釣鐘弁慶」なら身体剛健にして大金をもち、
「外法の梯子剃り(長頭翁)」は長命を保ち百事如意、とそれぞれに願いが込められています。

あれやこれやと願い事を思い描きながら一枚、また一枚と食べるのも楽しいもの。




お店には古い焼き型も残され、展示されていました。
昭和30年代までは、一枚一枚手焼きされていたんだとか。
右の焼き印は堅田の「浮御堂」。


そして、同店のもう一つの名物といえば「魞舟(えりぶね)」。



「魞」といえば琵琶湖特有の漁獲法。ものに沿って泳ごうとする魚の習性を利用した漁法で
湖のなかへ独特のかたちに竹柵を張り、魚をまるで迷路に導くように自然に誘い込み
逃げ出せなくなったところで魞舟でとるというもの。小鮎やもろこなどがとられます。



漁に用いられる舟を模したこのお菓子は、風雅なかたちはもちろん
ニッキのさわやかなあと味が印象的で、食べあきません。
12枚入り630円、20枚入り1050円。




こちらは、栗入りの蒸しまんじゅう「鬼の念佛」。

黒糖風味の皮と
ほっこりしたあん、
そこに栗の粒の食感が加わり
1つ、2つと食べ進む
あっさりとした軽さ。
12個入り735円、20個入り1050円。










ほかにも大津、近江にちなんだお菓子が並びます。

大津ならではの手土産としてはもちろん
お茶請けにいただきつつ、まちの風物に思いを馳せてみるのもいいものですね。





※情報は2008年1月現在。詳しくは直接お問い合わせください。



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株式会社 大忠堂 大黒屋忠兵衛
★住所 大津市観音寺8-17
★電話 077-522-3204
★営業 9:00~18:00
★定休 日曜・祝日
★HP  http://www.daichudo.com/
★地図 地図はこちら


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