2011年10月13日
比良 あられ・かきもち 八荒堂
秋の刈り入れも終盤に近づき、店頭に並ぶ新米がうれしい季節になりました。
豊かな水と気候に恵まれた近江の地は古くからの米どころ。
そんな滋賀の滋味を堪能できるとっておきの味をご紹介しましょう。

和邇にある「あられ・かきもち 八荒堂」。
その名の通り、比良八荒で知られる志賀のさと、和邇に工房を構えるお店です。

店舗があるのはJR湖西線・和邇駅より少し北の国道161沿い。

こちらのお店のあられ・おかきは手間暇かけた手焼き。
しかも、使われているのはすべて自作田のお米です。
つまりこちらは、農家でもある、ということ。
近江は上質のもち米がとれることでも有名ですが
お店の近くには、もちつきの始祖を祀るといわれる小野神社があり
その米づくりの伝統がいまに受け継がれている地域。


八荒堂さんは、その地で米づくりから行うあられ製造店として
全国の食通からも愛されるお店なんです。
お米を作る田んぼは、山懐に抱かれた棚田。
比良山系から湧き水を引き入れ
農薬をほとんど使わずに栽培しています。
しかも、使われている有機肥料は「米ぬかぼかし」。
精米した際に出た米ぬかを独自の方法で発酵させ、肥料にするというもの。
さらには、かきもち作りの際に出た、細かな割れなども肥料に加え
まったくムダがない!
「田んぼにはそれぞれ、その土地ならではの土や菌がいるもの。
そこで出来たものを、また田んぼに返すのですから理にかなっていて安全」
とは、ご主人の西村至さん。
その丁寧な米づくりが人から人へと伝わり
新米の時季ともなると、西村さんのお米は予約で売り切れてしまうほど。
実は有名店やホテルなどでも使われているんだそうです。
年末にはお正月用のお餅も販売され
「かきもち屋の餅」として、遠方から買い求める人も多いそう。
詳しくは → こちら。
かきもちを焼く工房は店舗のそばにあり、
そこから何とも言えずいい香りがただよってきます。
今回、特別になかへ入れていただきました。
お米は、収穫後に味が落ちるのを防ぐため、モミのまま貯蔵し
必要なだけ精米して使われます。

もち米は通常より強い力で丁寧につき、
ついた餅を寝かせてから裁断して、それをじっくり乾燥させたあと手焼きに。

手焼き用の網も自分で作り、自分で手入れするのだとか。
季節ごとに変わる温度や湿度にあわせて、微妙に変わる焼き加減。
それを調整するのは経験の積み重ねしかありません。

工程を見せていただいて驚いたのですが
本当にひとときも目を離せない作業なんです。
だからこそ、ご自分で手焼きできる範囲の分量しか作らないそう。
しかも、春から秋は毎日、田んぼ仕事もあるというから大変な作業です。
先代のころは百貨店など多くの販路をもって事業を拡大していたのですが
至さんの代から「いままで育てていただいた人を大切に
その方たちに満足してもらえるものを作りたい」と考え
米づくりも、製造も、目の行きとどく範囲に絞り込んだといいます。
「米は買ったほうが安いけれど、米にかけた愛着が味になるものだから」という西村さん。
その手間暇を、お茶うけとして気軽にいただく…。なんていう贅沢でしょうか!


焼き立てがザラザラッと、ザルに移されます。
火からおろしても、まだパチパチと爆ぜる音が聞こえてきて、
軽やかに焼きあがったのがわかります。
写真は「豆白焼」。豆の入った素焼き。
素焼きこそ、ここの真骨頂。
味をつけず、焼いただけで、米そのものの味を楽しんでもらおうというもので
米づくり、味づくりにかけた手間暇とその気概が感じられる、まさに逸品です。
何も味付けされていないのに、米の甘みが口のなかで広がって。
これぞ、米どころの醍醐味!!
袋入りは1つ500円。

写真は「豆白焼」。
なかに入っている豆は減反でつくった自家製の大豆。


ほかに、昔ながらの醤油味「志賀ノ里」や、ほんのり甘い「味噌仕立」、
固く焼き上げてきざみのりをまぶした「切干し」、
一番搾りコーン油の香りと厳選したあじ塩を使った「サラダ」や「海老サラダ」、
淡い色が上品な「田舎五色」は、八荒堂オリジナルの薄口醤油と砂糖に、
高地産のおろしたショウガを加え、香りづけした大人のあられです。
品のいい小袋入りは420円。

こちらは「かきもち」。

萱ぶき民家を模した手提げパッケージ入りは手土産にもぴったり。

小袋が3つ入って1360円。大サイズは2300円。
実は私もよくお使い物にしています。とっても喜ばれるんですよね。


缶入り、箱入りなど進物用もあり、ネットでも購入できます。(HPはこちら→★)


店舗のほか、大津西武ショッピングセンターや琵琶湖ホテル、
浜大津アーカス・堅田の米プラザ・三井アウトレットパーク竜王の湖の駅など
県内各所でも販売されています。
比良の山々を背景に、志賀のさとでは刈り入れが進んでいました。

米づくりと、その滋味を生かしたかきもち作り。
味を守り伝えていくことから、地域の農業のこれからについても
考えていきたいという西村さん。
土や水から商品として人の手に渡るまで、手塩にかけた愛着があるからこそ
深くやさしい味になるのかもしれませんね。
比良山麓の米どころの味。ぜひご賞味を。
*************************************
比良 あられ・かきもち 八荒堂
★住所 大津市和邇北浜57
★電話 077‐594‐0213
★HP http://www.hakkoudou.net/about/index.html
★地図 地図はこちら
※情報は2011年10月現在。詳しくは直接お問い合わせください。
豊かな水と気候に恵まれた近江の地は古くからの米どころ。
そんな滋賀の滋味を堪能できるとっておきの味をご紹介しましょう。

和邇にある「あられ・かきもち 八荒堂」。
その名の通り、比良八荒で知られる志賀のさと、和邇に工房を構えるお店です。

店舗があるのはJR湖西線・和邇駅より少し北の国道161沿い。

こちらのお店のあられ・おかきは手間暇かけた手焼き。
しかも、使われているのはすべて自作田のお米です。
つまりこちらは、農家でもある、ということ。
近江は上質のもち米がとれることでも有名ですが
お店の近くには、もちつきの始祖を祀るといわれる小野神社があり
その米づくりの伝統がいまに受け継がれている地域。


八荒堂さんは、その地で米づくりから行うあられ製造店として
全国の食通からも愛されるお店なんです。
お米を作る田んぼは、山懐に抱かれた棚田。
比良山系から湧き水を引き入れ
農薬をほとんど使わずに栽培しています。
しかも、使われている有機肥料は「米ぬかぼかし」。
精米した際に出た米ぬかを独自の方法で発酵させ、肥料にするというもの。
さらには、かきもち作りの際に出た、細かな割れなども肥料に加え
まったくムダがない!
「田んぼにはそれぞれ、その土地ならではの土や菌がいるもの。
そこで出来たものを、また田んぼに返すのですから理にかなっていて安全」
とは、ご主人の西村至さん。
その丁寧な米づくりが人から人へと伝わり
新米の時季ともなると、西村さんのお米は予約で売り切れてしまうほど。
実は有名店やホテルなどでも使われているんだそうです。
年末にはお正月用のお餅も販売され
「かきもち屋の餅」として、遠方から買い求める人も多いそう。
詳しくは → こちら。
かきもちを焼く工房は店舗のそばにあり、
そこから何とも言えずいい香りがただよってきます。
今回、特別になかへ入れていただきました。
お米は、収穫後に味が落ちるのを防ぐため、モミのまま貯蔵し
必要なだけ精米して使われます。

もち米は通常より強い力で丁寧につき、
ついた餅を寝かせてから裁断して、それをじっくり乾燥させたあと手焼きに。

手焼き用の網も自分で作り、自分で手入れするのだとか。
季節ごとに変わる温度や湿度にあわせて、微妙に変わる焼き加減。
それを調整するのは経験の積み重ねしかありません。

工程を見せていただいて驚いたのですが
本当にひとときも目を離せない作業なんです。
だからこそ、ご自分で手焼きできる範囲の分量しか作らないそう。
しかも、春から秋は毎日、田んぼ仕事もあるというから大変な作業です。
先代のころは百貨店など多くの販路をもって事業を拡大していたのですが
至さんの代から「いままで育てていただいた人を大切に
その方たちに満足してもらえるものを作りたい」と考え
米づくりも、製造も、目の行きとどく範囲に絞り込んだといいます。
「米は買ったほうが安いけれど、米にかけた愛着が味になるものだから」という西村さん。
その手間暇を、お茶うけとして気軽にいただく…。なんていう贅沢でしょうか!


焼き立てがザラザラッと、ザルに移されます。
火からおろしても、まだパチパチと爆ぜる音が聞こえてきて、
軽やかに焼きあがったのがわかります。
写真は「豆白焼」。豆の入った素焼き。
素焼きこそ、ここの真骨頂。
味をつけず、焼いただけで、米そのものの味を楽しんでもらおうというもので
米づくり、味づくりにかけた手間暇とその気概が感じられる、まさに逸品です。
何も味付けされていないのに、米の甘みが口のなかで広がって。
これぞ、米どころの醍醐味!!
袋入りは1つ500円。

写真は「豆白焼」。
なかに入っている豆は減反でつくった自家製の大豆。


ほかに、昔ながらの醤油味「志賀ノ里」や、ほんのり甘い「味噌仕立」、
固く焼き上げてきざみのりをまぶした「切干し」、
一番搾りコーン油の香りと厳選したあじ塩を使った「サラダ」や「海老サラダ」、
淡い色が上品な「田舎五色」は、八荒堂オリジナルの薄口醤油と砂糖に、
高地産のおろしたショウガを加え、香りづけした大人のあられです。
品のいい小袋入りは420円。

こちらは「かきもち」。

萱ぶき民家を模した手提げパッケージ入りは手土産にもぴったり。

小袋が3つ入って1360円。大サイズは2300円。
実は私もよくお使い物にしています。とっても喜ばれるんですよね。


缶入り、箱入りなど進物用もあり、ネットでも購入できます。(HPはこちら→★)


店舗のほか、大津西武ショッピングセンターや琵琶湖ホテル、
浜大津アーカス・堅田の米プラザ・三井アウトレットパーク竜王の湖の駅など
県内各所でも販売されています。
比良の山々を背景に、志賀のさとでは刈り入れが進んでいました。

米づくりと、その滋味を生かしたかきもち作り。
味を守り伝えていくことから、地域の農業のこれからについても
考えていきたいという西村さん。
土や水から商品として人の手に渡るまで、手塩にかけた愛着があるからこそ
深くやさしい味になるのかもしれませんね。
比良山麓の米どころの味。ぜひご賞味を。
*************************************
比良 あられ・かきもち 八荒堂
★住所 大津市和邇北浜57
★電話 077‐594‐0213
★HP http://www.hakkoudou.net/about/index.html
★地図 地図はこちら
※情報は2011年10月現在。詳しくは直接お問い合わせください。
Posted by しがまにあスタッフ at 20:00
│志賀