北国街道をゆく参勤交代のお殿様御用達の水あめ:菊水飴本舗

しがまにあスタッフ

2011年05月26日 20:00

湖北ではそろそろ田植えの時期も終わりを見せようとしている、この5月も下旬。
どこか体調を崩したり、なんとなく気持ちが奮わず元気がなかったり…
この4月からの環境の変化や
ここ最近の急な気温の上昇で、そんな不調まされている方はいませんか?

今日は、そんなあなたを優しくいたわり元気にしてくれる、どこか
不思議になつかしい滋養たっぷりのスイーツ
350年以上の歴史を持つ、湖北伝統の珍しい貴重なスイーツをご紹介しますね。



それが、とろーっ巻き取る間にも淡い黄金色の光の輝きが優しい水あめ、
菊水飴

江戸時代から北国街道の名物として多くの人に親しまれ、
今もその伝統が受け継がれている、昔ながらの手作りの水あめです。

<菊水飴本舗>


全国でも屈指の歴史と伝統を受け継ぎ、ひっそりと守り続ける菊水飴本舗さん。
そんな菊水飴本舗さんのお店の軒先は、
余呉湖にも程近い北国街道の旧街道沿いに、その粛々とした古いたたずまいを
見せています。


こちらが、現在
北陸自動車道の木之本インターを
降りてまっすぐ余呉町へと続く
滋賀県と福井県を繋ぐ国道から、
旧街道への分岐点。
土地の集落へと入っていく、
信号もない小さな側道への
入口となっているので、ちょっと
判りにくいかも。  
  
実際、取材に訪れたこの日も、
関東方面からの方で、以前来た時は探しても場所が分からなくて来れなかったけど、
今日はカーナビを駆使してなんとかたどり着けたのだと話されていた
ご観光の方がいらっしゃいました。 



側道への目印は、JR北陸線を越えて余呉町へ入る高架道路を下りきる手前右側、
立派な構えの大きな鳥居の神社と、この大きな三角形の地図看板、
そして「管山寺・弘善館」への行き先を示す地名の標識です。


集落の中の細い道路を進んで
小さな橋を越え、左手に
この菊水飴本舗の駐車場を
示す看板が見えてきたら、
そこが目指す目的地です。
 
  
 


店内の様子をうかがい知れないすりガラスの入口と趣のある店舗名の文字にも
臆さず、どうか戸を開いて声をかけてみてくださいね。


同じように南から北上して
右手側道へと入る、
信号のある下余呉の交差点
にまで来てしまうと、行き過ぎです。

お店のある集落・坂口を通り過ぎて
しまっているので、
余呉湖への入口かどこかで
引き返して来てくださいね!
 
 
引き返して北から南下してくる場合には、先ほどの下余呉の交差点を通り過ぎ
反対側の側道入口から再トライしてみてください。



JR北陸線横の広い車線道路の左側、歩道の横に、側道への入口があります。



もしくは、南北側道入口の中間点あたりの国道に
↑のような「菊水飴本舗」の看板を掲げた外灯がありますので、
それを目印に直接この小さな脇道に曲がってみるのもいいかもしれません。



さあ、勇気を出して引き戸を開いた、こちらが店内です。

年代ものの重厚なのれんに歴史の重みを感じさせる看板、数々の表彰たて。



古民具のような大きな棚の中には、「~銭」と記された昔の値札もありました。



筆字の立て札が、江戸から続く歴史と風情をかもし出しています。
 
↓こちらの店舗名の看板にも、いわれがあるのだとか。


そういう歴史と伝統をなんのてらいもおごりもなく受け継ぎ守っていらっしゃる、
素朴にして堂々たる店内の趣です。



それでいて、
どこかしら
愛しくも懐かしい…。
 
そんな不思議な
素敵空間。
  
 
 
 
実はこちらの菊水飴は、湖北地方でだけでなく
なんとあの桜のお花見で有名な京都の醍醐寺三宝院でも、お求めいただけます。



というのも江戸時代元禄年間、この飴の風味を褒められた高賢という
醍醐寺83代座主の三宝院門跡(さんぽういんもんぜき)より
菊の御紋ののれんと和歌を賜り、それまで地名から「坂口飴」としていた名前を
以降『菊水飴』と改めたご縁があるからなのだとか。
門跡とは、皇族・貴族が住職を務める特定の寺院もしくはその住職さまのことです。


 
 
因みに
天皇家の菊の御紋は、
菊の花びらが18枚。
こちら菊水飴さんの
のれんの菊の花は、
花びらが16枚なのだとか。
 
 
 

 
 
明治に入ってからは、
←こちらの袋にも印刷されいている
半菊の御紋も、使用されています。
 
印刷された菊の花びらの枚数を数えてみるのも、
歴史好きな方にとっては
隠れた楽しみ方のひとつなのかもしれません…?
 



また、それより先の江戸時代初期、越前福井藩藩主松平公が参勤交代の途中
腹痛をおこされ、
飴を舐められて治って以来、松平家の『御用飴』となった歴史をも有しています。



↑こちらが、その江戸時代のお殿様や京都の宮様出身のお坊様が愛された、
350年の伝統の味スイーツ、『菊水飴』。



半菊の御紋と「菊水飴」と名前の印刷されたオレンジ色の包装の中には、
半練りの水あめを絡めとるための棒も、備え付けられています。



砂糖や薬品は一切使用せず、昔ながらの伝統製法で穀物澱粉を使っているそうで、
驚くほどの上品な自然の甘味とまろやかな風味やさっぱりとした後味は、
いかにも体に良さそうな味で、くせになりそう。

飴や甘いものが苦手な方にもおススメな逸品です。



小さく細かな泡が白く泡立った表面から、淡い金色に輝く柔らかな半練の水あめを
とろーりと絡めとると、もうそれだけで楽しくなってしまいませんか?



勿論実際滋養に富み風邪にも効くらしく、昔は薬として食されていたそうで、
「皮付き大根おろしと菊水飴、これに勝るものはなし」
という言葉もあるそうです。
 
お店で試食もさせていただきました♪ 

はい、どうぞ! 
 

 
 
昭和に入ってから新しく作られた、
砂糖を加え固形にした
菊水のつぶあめ』は、携帯にも便利です。

それにやっぱり、
なんともいえない優しい味。
 
 
 
きらめきころがる、淡い金の、高貴なひと粒。



オフィスワークに疲れた時なんかには、絶好の癒しの一粒かもしれませんよね…♪
ころんとひと粒、はいどうぞ!



そして↑こちらは、第15代目となる今代のご主人が開発されたという
菊水の梅あめ』。



青梅のエキスを煮詰めたものを混ぜ込んで練り上げた固形飴だそうで、
これまた甘酸っぱい梅の味が
菊水飴の上品な甘さを相まって、なんとも爽やかに美味な、お口の友!

あなたもおひとつ、いかがですか…?





菊水飴本舗さんの近くには、
ワカサギ釣りや天女伝説で有名な余呉湖や、近年映画のロケ等で有名になった
管山寺への入口があり、
湖北の中でもまた独特の自然や気候に恵まれた土地となっています。



↑こちらが、その管山寺や、菅山寺の寺宝(観音様等)が拝観出来る弘善館への
入口の大鳥居。
ここより先は車では入れず、徒歩となります。



おりしも季節は、湖北の遅い春から初夏へと移りゆく、そんな緑深まりし時。



翡翠の新緑とまぶしいような藤の花色とのコントラストを経て、
新緑から、深緑へと。



日々、緑濃い薫る風渡る、夏へと向かう日々の中で。
懐かしいような、ごくごく『当たり前』の日常風景と、一緒に。



きらめく黄金色の、陽射しを浴びて。

「 つきせしな
  千代の久寿利に栄えける
  黄金いろの きくすいのあめ 」  (醍醐寺83代座主 高賢 )

そんな祝福された黄金色の練り水あめに、舌鼓を打ったなら。



案外、
本当に心も体も健康になって、寿命も延びるのかもしれません…?






(情報は2011年5月現在。詳しくはお問い合わせ下さい。)



**********************************
菊水飴本舗

■所在地     〒529-0522 滋賀県長浜市余呉町大字坂口576
□TEL        0749-86-2028
■営業時間   10:00 ~ 日没
□定休日     不定休
■駐車場     あり(無料) 10台

□HP       なし
■地 図     地図はこちら


**********************************





 


関連記事