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しがまにあ

2008年10月21日

吉田玉栄堂

扇型に広がった串に、いくつも連なる小さな小さなだんご。
草津市穴村町に200年前から伝わるという「穴村のだんご」
みたらしだんごのルーツではないか? という説もあるお菓子です。

吉田玉栄堂

その伝統をいまも守っているのが「吉田玉栄堂」。
子どもの笑顔が描かれた包装紙に、なんとも心がなごみます。


田園風景のなかにいまも昔ながらの集落が残る穴村。

吉田玉栄堂吉田玉栄堂

古くからのこの穴村には赤ちゃんの『カンの虫』を封じる
“もんもん(墨灸)”で有名な「もんやさん」(現あなむら診療所)があります。

吉田玉栄堂吉田玉栄堂

ここのお灸は、もぐさからとった液をツボにつけるだけで熱くはなく
子どもを連れて訪れる人が多かったといいます。
昔は近くに船着場もあり、はるばる遠方から船や人力車で訪れる人もあったとか。


そのもんやさんの門前にあるのが同店。


穴村のだんごは、近隣の農家では200年以上前から作られており、
お灸帰りの親子連れが買い求めたそう。


吉田玉栄堂吉田玉栄堂

話に聞いて知ってはいましたが、実物を見てみると
おだんごの一つひとつが思ったより小粒で、なんともかわいい!

吉田玉栄堂

食べてみると、想像したような甘みはなく、炭の香ばしい風味がなんとも懐かしい感じ。

みたらし団子のように甘みをつけるのではなく、しょうゆだけの味付けで
昔食べた手焼きの焼き餅に近い味かもしれません。

風味のいいだんごを、一つ、また一つと食べ進めるうちに、1串なんてあっというま。


吉田玉栄堂吉田玉栄堂

竹を扇型に裂いた串には直径1センチほどの小さな団子がいくつも刺してあり、
お灸をこわがる子どもたちをなだめるために、このカタチになったのかもしれませんよね。


吉田玉栄堂
先端の一つだけが少し飛び出て刺しているのは
これをお母さんのおっぱい代わりにしてしゃぶれるようにしてあるのだとか。



吉田玉栄堂がこのだんごを手がけるようになったのは
いまから40年以上前の昭和40年ごろ。

だんごのつくり手が少なくなったことを懸念した診療所のご隠居から
ひきうけてくれないか、と声がかかったことがきっかけだったそうです。


串先の本数はとくに決まりはなかったそうですが、現在では1串に10本が通例。
そこへ5つずつ、50個のだんごを丸めて刺すのですから大変な手間です。


だんごは扇型のままガブリといっても、1本ずつ割いて食べてもお好きなように。

吉田玉栄堂吉田玉栄堂

もちろん串も手作り。丸ままの竹を切り出すところからはじめ
節にあわせて切りそろえて、先を10本に割いていきます。


吉田玉栄堂
串をつくるだけでも手間がかかるうえに、
刺しただんごを焼きすぎると
竹串が焼けてモロくなってしまうため
ほどほどの焼き加減が難しいところ。


「ガス火ではすぐ焼け落ちてしまうので
いまも専用のコンロに炭を弱くいこし
一つひとつ手焼きするんです」とご主人。


この春、消防士を早期退職して
家業に専念することにしたそうで
「先代が大事に続けてきたものですから、
 それを残していくためにも
 体の動くうちにと思って」と
話してくださいました。






だんご作りの作業はどれをとっても機械化できない手仕事ばかり。

「手間はかかりますが、このだんごは店だけのものでなく
 地域の伝統であり、これが好きで、と言ってくださるみなさんのもの。
 大切に守っていきたいと思うんです」。


だんごは1串300円
地元でとれたもち米を使い、家族で作っているからこそ、この値段を続けられるのだとか。

すべて手作業のため作れる数も限られていて
売られているのは月・火・水・金の4日。
即売り切れてしまうことも多いので、前日までに電話で問い合わせるのがおすすめです。


吉田玉栄堂吉田玉栄堂

ほかにも、地域に根ざしたお菓子屋さんらしく、赤飯や大福、
お祝いのおまんじゅうなども手掛けているそう。
店頭に出来合いを並べるのではなく、ほとんどが注文生産というのも昔ながら。

吉田玉栄堂

はじめて食べるのに、誰もが懐かしいと感じてしまうような
そんなやさしい味をいまに伝えるお店です。



※情報は2008年10月現在。詳しくは直接お問い合わせください。




*************************************
吉田玉栄堂
★住所  草津市穴村町327-2
★電話  077―568―0036
★営業  7:00~19:00
★定休  木曜定休 ※穴村のだんご販売は月・火・水・金のみ
★地図  地図はこちら



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Posted by しがまにあスタッフ at 20:00 │草津

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